ナース漫画大賞2025 エピソード大賞
「忘れられない看護師さん(患者視点)」部門 大賞受賞作品
一人の人として
受賞エピソード
持病の先天性心疾患の悪化から長期入院になった主人。
タイミング悪く、コロナ禍でした。
面会時間も少ない中、主人と面会する場所なども看護師さんが配慮してくださり、主人が余命宣告をされた時も、主人のことだけでなく「奥さまが倒れないかが心配、なんでも話してくださいね!」と気にかけてくださいました。
退院し、在宅医療に切り替えることになったのですが、その際は丁寧に点滴処置や酸素ボンベの扱い方も教えてくださり、家に帰れることを自分ごとのように喜んでくださったのを覚えています。
退院後、半年ほどで主人は亡くなりました。
通夜には、みなさん仕事の後に来てくださり、棺の前で、「病院にいた頃はいつも私たち看護師に遠慮する優しいご主人さんでした。」「奥さまのこと大好きだといつも言っていました」などお話してくださいました。
それまで、看護師さんは仕事、と割り切っていらっしゃるのだと思っていました。主人が患者ではなく、人として、1人1人と大切な人間関係を持てていたのだと感じ、涙がとまりませんでした。点滴につながれても患者にならない、患者にさせないプロの看護師さんたちに今も感謝しています。