ナース漫画大賞2026 部門賞
忘れられない患者さん(看護師視点)
受賞作品

気づけなかったことへの
後悔

審査員コメント

小林光恵

小林光恵

Kobayashi Mitsue

作家・看護師
エンゼルメイク研究会代表

大切な人を喪ったときの出来事についてこう語った人がいます。
「その出来事を思い出すことの苦しさよりも、忘れてしまうことのこわさのほうが断然大きい。だから忘れないと決めた。心に刻み込んだ。苦しくても何度でも思い出す覚悟をしました」
今回の大賞作品の作者、そして同僚の方たちも、作品中に描かれた出来事について、看護師として忘れない決意と繰り返し思い出す覚悟をしたのではないかと思いました。
看護師は、日々ケアを続けているのですから受け取る情報量が大変多く、ある程度忘れながらでなければ身が持たないですね。患者さんや利用者さんやその縁者の方たちの喜怒哀楽の表情や言葉や息遣いや後ろ姿などなど、いろいろを忘れながらも、大切なことは心に刻んで作業をし続ける。それも、看護師の小さくない仕事の一つでしょうか。因みにナースの私の友人は、ある患者さんのある日の呼気のにおいと湿り気が忘れたくても忘れられないそうです。